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「696 STUDIO」の謎

はじめに

お久しぶりです。およそ2年ぶりの更新でございます。

ギリギリの更新になってしまいましたが、この記事はナナシスアドベントカレンダー2019、15日目の記事です。まだ12月15日だもんね!!!企画ページはこちらです↓

adventar.org

私は「696 STUDIO」について書きます。

「696 STUDIO」って?

「696 STUDIO」とはナナシスのトレイラーなどで見かけるクレジットです。例えば、下の画像は先日公開されたばかりの『The QUEEN of PURPLE 1st Live “I'M THE QUEEN, AND YOU?”』Trailerの後ろの方の画面ですが、右から2番目に「696 STUDIO」のロゴが表示されています。このロゴ、実はナナシスの音楽作品と映像作品のパッケージには必ず表記されているので、お手元の実物を確認してみてください。

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右から2番目が696 STUDIOロゴ

秘密結社「696 STUDIO」

このロゴ、一体何でしょうか。

「696 STUDIO」の初登場は、ナナシスのアプリが配信開始した2014年に遡ります。2014年10月のマチアソビVol.13にて初お披露目となった公式同人誌『t7s ハジマリノヒノスコシマエ ver8.12』の「企画・制作」「発行人」としてクレジットされています。そして、公式同人誌のまえがきにはこんなことが書いてありました。

そんなナナスタをこっそり観察するために

かなーり古来より存在していた

秘密結社「696 STUDIO」(ろくろすたじお)の初代首領である!

これが「696 STUDIO」の初登場でした*1。ここまで読み方を示さずに進めてきましたが、「ろくろすたじお」と読みます。

どうやら秘密結社のようですが、結局彼ら(彼女ら)はどんな秘密結社なのか。当時のプロデューサーである中川尚人さんは総監督&プロデューサーインタビューでこう答えています。

今回の公式同人誌は“696 STUDIO”という同人サークルを作り、その名義を使っています。あまり“ビジネスとしての発表”にしたくなかったこともあり、現状ではまだ書店に出す予定はありません。

『Tokyo 7th シスターズ』のアニメ化もあり得る? 開発者が描くゲーム以外の展開とは - 電撃オンライン

つまり、「696 STUDIO」とは、 "ビジネスとしての発表"にしたくない同人誌のために作られたナナシス制作スタッフによる同人サークル名義のようです。実際、これ以降に発行された公式同人誌Vol.2の企画・制作、発行人も同様に「696 STUDIO」となっています。

このことを踏まえて公式同人誌のまえがきに戻ると、なるほど確かに、ナナシスの制作スタッフを作品の内側の視点からみた場合、「ナナスタを観察するために古来より存在する秘密結社」といえるのかもしれませんね。

ここまでで、「696 STUDIO」は最初、ナナシス制作陣を指す同人サークル名だったことがわかりました。

 

ナナシスのインディーズCDと 「696 STUDIO」

公式同人誌以外にも「696 STUDIO」は登場しています。ナナシスがビクターと組んでメジャーデビューする前に出していたインディーズCDです。

2014年12月のコミケで販売された1stミニアルバム『t7s Longing for summer』では、CDケースの背表紙にロゴが記載されています*2。その後、ビクターからメジャーデビューするまでの間は、CDの背表紙に「696 STUDIO」ロゴが刻まれています*3。つまり、「696 STUDIO」にはナナシスのインディーズレーベルのような意味合いもありました。

 

 「696 STUDIO」ロゴの存在意義

冒頭の画像に戻りましょう。

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Tokyo 7th シスターズ」、Donuts、「696 STUDIO」、そしてビクターエンタテインメントのロゴが並んでいます。

ナナシスの音楽なのでナナシスのロゴが記載されているは当然です。ナナシスはDonutsで制作・開発されている著作物なのでDonutsロゴの存在も理解できます。そして、ビクターはメジャーレーベルとしてCDやBlu-rayなどを製造・販売しているので、そのロゴが表記されることにもうなずけます。

では、ここに「696 STUDIO」ロゴが存在することの意味は?

初登場時の意味合いである、ナナシス制作陣を表す同人サークル名だとしたら、ナナシスのロゴを記載している時点で意味が重複するような気もしますし、ナナシスはDonutsで制作されているので、そことも意味が重複します。さらに、レーベルとしての「696 STUDIO」という意味合いであれば、現在はレーベルはビクターのはずなので間違いということになります。

以上のように、「696 STUDIO」のロゴだけ存在意義があいまいなのです。にもかかわらず、ナナシスのCDやBlu-rayには「Tokyo 7th シスターズ」のロゴと一緒に「696 STUDIO」のロゴが併記されています。

その理由をはっきりと結論付けることはできませんが、"ビジネスとしての発表"にしたくない公式同人誌で初登場した「696 STUDIO」という名義が記されていることには、やはり意味があるように思えてなりません。

おわりに

というわけで、「696 STUDIO」ロゴの存在の謎について、完全に丸投げして終わりたいと思います。決して時間が足りなかったとかではない。決して……!

そういえば、「ろくろすたじお」の「ろくろ」ってろくろ首から来ているんでしょうか。首を長くして待つろくろ首のように、私も夏の訪れを待ちたいと思います。

おまけ:「696 STUDIO」目撃報告

・最近はMKSさん以外がCDのイラストを担当した場合にクレジットされています

・ゲームのシナリオとイラスト制作のクレジットにもいつの間にか「696 STUDIO」 が追加されていました。私の記憶が正しければ当初は記載されていなかったはず……。

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ナナシスLINEスタンプも696 STUDIOが作ってます!(Donutsが作ってるバージョンもある)

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*1:この公式同人誌のまえがきから「696 STUDIO」とナナスタの作品世界内での関係について考えてみるのも面白そうですが、今回は割愛します。

*2:ちなみに「発売元」「販売元」としても記されてされています。

*3:1stフルアルバム『H-A-J-I-M-A-L-B-U-M-!!』とオリジナルサウンドトラック『t7s The Things She Loved』がそうです