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「t7s Longing for summer Again And Again ~ハルカゼ~」上映会&トークショー感想

※MV発売から1ヶ月経過したので、下書きしておいた記事を2017年5月21日に公開しました。

2017年4月11日に新宿バルト9で開催されたTokyo 7th シスターズ初のアニメーションMV作品の先行上映会&トークショーに参加してきました。

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上映会場のポスター、キービジュアルの展示もありましたがそちらの写真は撮り損ねました。

MVの上映ももちろん楽しみでしたが、イベントの時間として70分の枠が設けられていたので、トークショーの部分もかなり時間をとって貴重な話が聞けるのではないかと期待を寄せていました。

結論から言うと、イベントの内容は僕にとっては期待以上で、イベント後は正直気持ちの整理がつきませんでした。どこから何を考えればいいのか全くわからず、劇場から帰る間はしばらく心ここにあらずって感じでした。

開演前

開演前は777☆SISTERSの新曲「ハルカゼ ~You were here~」が会場でリピート再生されていました。もはや出し惜しみはしないスタイル。

イベント開始

そうこうしているうちにイベント開始。司会の宮島咲良さんが登場。宮島さんは前回も、前々回(私は不参加でしたが)も司会でした。

続いて主演の水瀬いのりさん、篠田みなみさん、そしてプロジェクト総監督&今回のMVの脚本・監督の茂木伸太郎さんが登場。MVの上映の前にお三方から一言ずつ「本作のみどころ」についてコメントが。

水瀬さんは、今回「別のキャラクター」を演じていて、きちんと芝居を変えて表現しているので、違うキャラが「生きている」ということに注目して欲しい、みたいなことを仰ってました。(正直メモを取るのがへたくそなのでうろ覚え)

篠田さんは、初めての777☆SISTERSがアニメーションとして動くということを話しつつ、新たな登場人物のカホルやアカネとの関わりに注目して欲しいとのことでした。

総監督の茂木さんからは、小難しいことは考えなくていいので、感じてください、とのことでした。ライブ前のインタビューと同様に、作品をみてもらう前に多くを語らないスタンスはいつも通りでしたが、「感じる」ことを強調していたのが印象的でした。

感じます!!!

MV上映

そして、ついにMV上映。

ここから先はMVの感想だったり、「観客がMVを見ていることを前提に」語られたトークの感想を書くので、MV未視聴の人はここで回れ右することを強くお勧めします。何も知らない状態でMVを視聴することが出来るのは最初の一度きりです。まずは自分でMVをみて、そのときの気持ちを大切にしてほしいと個人的には思います。

MVで感じたこと(めっちゃネタバレあり。未視聴の人は読まないでください)

監督曰く「感じてください」とのことでしたので、今回は小難しいことを出来るだけ抜きにしてまずは感じたことを書いていきます。(「出来るだけ」ね、出来るだけ……)

 ※以下、登場人物の台詞や映像の内容に関する感想が出てきますが、すべてうろ覚えなので正確ではありません。

 

・MVの内容でまず印象的だったのはその時間軸。冒頭は2040年のAkita City。

トレーラーを見たときから薄々感づいてはいましたが、777☆SISTERSにとって現在である2034年ではないところでMVは始まります。

・アカネ「卒業しても別に何かが変わるわけじゃないし……」が印象に残っています。彼女は何を思ってそう言ったのか。

・カホルの手紙「私は今、Tokyo-7thにいます」「今日、卒業式です」「あの歌を歌います」 「そっちでも卒業式ではあの歌を歌うのかな」

"あの歌"って何だ?となりましたが、素直に考えると「ハルカゼ ~You were here~」でしょうね。777☆SISTERSの歌が、卒業式に歌う曲として定着しているんでしょうか。それを考えると何かこう、胸に来るものがありました。アイドルはもう終わった、そう言われていた2034年を知っているとぐっときます。

・アカネの卒業式でおそらく"あの歌"を歌う時間が近づいた頃、周りには目もくれず一人手紙を読み進めるアカネ。

・「私たち、あの時どうすればよかったんだろうね」「もっと傷つけ合ったっていいから、本当のことを言うべきだったんだよ」

"傷つけ合う"というフレーズに妙にピンときたのを覚えています。ナナシスでは「自分のやりたいことをやる」ことと「誰かと共に生きる」こと、両方の大切さが描かれていると個人的には思っているのですが、「自分のやりたいことをやる」ことと「誰かと共に生きる」ことの両立はそんなに簡単じゃないよなあ……などと日頃考えていたもので、この"傷つけ合ったっていいから"というフレーズが妙に印象に残りました。

・「合唱部!!」と書かれた届出用紙をカホルに差し出すアカネ。

1回目見たときはアカネがカホルを合唱部に誘ったんだな、程度に思っていたのですが、トーク後の2回目の上映でどうやら、アカネとカホルたちが合唱部を新設したらしいことがわかりました。届出用紙が入部届だったのか部活新設届だったのかを見逃してしまいましたが、その後の回想シーンを見る限りはアカネとカホルと数人の友人で合唱部を作ったように思えました。

・アカネに背中を押してもらいながら、他の部員とも仲良くなるカホル。

・コンクールで入賞して笑い合うシーン。

・季節が巡るカット。

・夏の日に友人たちの方に歩き出すカホルと、それを何か言いたげな表情で見つめるアカネが印象的でした。

不穏

・夕暮れ時に、階段に座って合唱部の面々が涙を流すシーン。おそらく東北の合唱コンクールで入賞できなかったんでしょう。

・床に落ちたメガネ。赤くなった頬を押さえながら、何かを叫んでいるカホル。

おそらく合唱の練習で衝突があったんでしょうね。それがカホルの手紙に書かれていた"あの時"なのでしょう。

777☆SISTERSが映るシーン。曲のどの辺りから始まったかはうろ覚えなんですが、本作では777☆SISTERSのカットが少ない。エンドロールを見ればわかりますが、12人は一切喋らない。

のですが、そのことに関しては不思議と不満は湧きませんでした。なぜ777☆SISTERSが喋らないんだ!!とかそういう気持ちが微塵も湧かなかったのは、歌声は彼女たちのものだったし、MVの構成から12人が口を動かす必要性を感じなかったからだと思います。冒頭の導入からこれはアカネとカホルのお話なのだと、自然と理解していたように思います。

777☆SISTERSひとりひとりの表情が順にアップで映るシーン。

ムスビ→ロナ→ヒメ→モモカ→スミレ→スイ→シズカ→スース→晴海三姉妹の順。これはメインストーリーの順番と同じですね……。

・回想が終わり、ラストのサビが近づくにつれて777☆SISTERSが歩き出すシーン。

1人1人違う方向に歩いていく(ようにみえた)のが印象的でした。今思い出してみると、あの芝生の公園(?)にいたのは12人ではなく、ハル以外の11人だった。ということはつまり……?(MV発売後に考えよう)

・ラストのサビ。ハルが何かを抱きしめて解き放つシーン。

効果音が入ってたのがとても印象に残ってます。ミュージックから若干浮いてた気がするけど、そのくらいの方がいいんだろうか……。

・桜並木の中で12人が並んで、歌い、"踊る"シーン。

"踊る"姿をアニメーションで観られるのは(トレーラーを除けば)このMVが初めて。ただただ動きを目に焼き付けていました。「鮮やかな風になる」のところの手の振り付けがくねくねしてたのを覚えてます。あと、これは後になって考えたことですが、あのシーンは「ハルカゼ ~You were here~」という歌のイメージを表現したシーンなのかなと思っています。アカネやカホルの映るシーンとは色合いが違いますし、作画のタッチにも違いがあるように感じました。あくまでMVはアカネとカホルの物語であり、そこに直接777☆SISTERSの12人が関わっているわけではない。ただ、777☆SISTERSの歌はふたりに届いているわけですね。ふたりにとっての歌のイメージを象徴しているシーンなのかな、と。今はそんなことをぼんやり考えてます。

・カホルの手紙

あのね、アカネ。

私、アカネのこと、大っキライだったよ。

という文字がアップになるカットがトレーラーにもありますが、カホルはどうしてこんなことを手紙に書いたのか。僕にはわかりませんでした。それを読んだアカネがどう受け取ったのかもわからない。小説を読めば少しはふたりに近づけるでしょうか……。

・カホルの手紙②

卒業おめでとう*^^*

がんばってネ!

 これを読んで校舎の屋上まで階段を駆け上ったアカネは、カホルがいるであろう方角を見据え、涙をこらえて、何かを言いあぐねます。

その背中を、桜色の衣装をきた少女が抱きしめ、何かを囁き……アカネは「おめでとう!」「卒業、おめでとう!」と目から涙を溢れさせながら、笑います。

正直、あの少女(あえてこう書きますが)がアカネを抱きしめながら何と言ったのか、その時アカネの中にどういう心境の変化があったのか、なぜ「卒業、おめでとう」なのか、今はよくわかりません。小説で前日譚(後述)が語られるそうなので、何かわかるといいな……。

わかることといえば、アカネの表情が、家を出た時の暗いものから屋上での笑顔に変わったってことで、それが2人の思い出と"あの歌"とカホルからの手紙に関わっているんだろうなってことですか

・カホルがTokyo-7thを歩くシーンのBGM。

2nd Albumの「Intro ~to be the Blue Sky~」かと思いきや、少し違ったんですよね。カホルが見上げる建物の頭にナナスタロゴのホログラムが表示されているのが分かるカットからギター(?)が加わって、ピアノだけの時の抽象的な音色とは違う、より具体的な音色になったんです。あのシーンは鳥肌ものでした。僕にとってそれまでゲームの中の抽象的なものでしかなかったナナスタが、抽象的ではあったけど「馴染み深い」あの場所が"そこにある"という感覚が湧き上がりました。その瞬間に流れるあのギターの音色は、まさに「アニメーション化」されたのだという実感をより強めてくれる、そんな音色でした。

・事務所の扉に貼られた写真。

ゲーム内のイラストとして見覚えのある写真がそこに存在していました。目についたのはこの写真だったと思います。たぶん。f:id:ichidai10:20170412203636j:imagef:id:ichidai10:20170412205116j:imageこれらが写真としてそこにある景色を見たときに、思い出としてそこにあるということが実感できたのを覚えています。

・見覚えのない「思い出」

ただ、見覚えのない写真がありました。そこには777☆SISTERSのみんな、スーツを着た男性、ピンク色のジャーマネが写っていて、2035という文字が上からマジックで書かれていました。2034年の"現在"にいる僕たちがまだ知らない「思い出」が2040年にはありました。MV発売後にじっくり見たいと思います。

・"BACK TO EPISODE.777☆SISTERS"という文字列。そして、ハルの後ろ姿。

最後は、ナナシスのエピソードの中の一番最初の問いかけでもある、あの言葉。

「ねえ キミは何がしたい?」

ゲーム内のエピソードでも何度も登場するこの問いかけ。「ナナシスとは何か」を表現する上で欠くことの出来ないものだと思います。

・2つの「卒業式」の表現

今になって思うと、カホルが自分の卒業式の日の朝に出した手紙がアカネの卒業式の日に届いているので、アカネが手紙を読んでいるときには、既にカホルの卒業式は終わっているんですね。2つの卒業式の間には数日間の隔たりがある。でも、MVでは2人の卒業式が重なっているように見える瞬間があって、これは映像作品ならではの表現だと思います。

・いわゆる「モブ」の扱いについて

アカネとカホル以外の登場人物も、例えば服や髪色、持ち物がしっかりと描き込まれているように感じました。カホルがTokyo-7thで歩いているシーンとか特に。記号としての「通行人」や「他の生徒」を描くだけならそんなにしっかり描かなくてもいいと思うのですが、今回のMVではそういった人々もしっかり描かれていたように感じました。

 ・製作

製作にクレジットされていたのはDonutsのみでした。

上映後トークパート(ネタバレあり)

ここからはメモを頼りにトークパートを振り返ります。ちゃんとしたレポートは各所から出ているのでそれら*1を参照いただければと思います。

MV制作することになった経緯

  • 2015年のH-A-J-I-M-A-L-I-V-E-!!の前後からTVアニメ化の話は来ていた。
  • やり方的にも当時の知識量的にも、このままTVでアニメをやるのは難しいと考えた。
  • 当時の状態だと、TVアニメというやり方ではナナシスで伝えたいことの見え方が変わってしまうと判断して、断っていた。
  • TVアニメではなくもう少し限定された規模でやる案が出て、それではMVでやりましょうということになった。(2015年の11月ごろ)
  • 実際制作に入ったのは2016年の夏ごろだったが、2015年ごろに書いた草案と比べて、出来上がったものにぶれはない。

まず、2015年頃からTVアニメ化の話が来ていたという具体的な話が出たのが初めてだったので、驚きました。と同時に、2016年のナナシスの抱負が「突破」だったことにもかなり納得がいきました。このことを知った上でコンプティーク2016年3月号の茂木伸太郎ロングインタビューを読むと、当時よりも具体的なイメージを持って読むことが出来ます。この辺の話はかなり時系列を追って、メモリアルボックスに書いてあるそうなのでかなり楽しみです。

ナナシスのアニメーション第1作の意義

今回のMVでメインがこれまでの777☆SISTERSではなく、新キャラなのはなぜか?という質問がありました。それに対する総監督の返答としては

  • 第1作だからこそ、「ナナシスとは何か」を表現しなければいけなかった。
  • ナナシスでは、「アイドルだけの話」を避けてきたようなところがあるが、今回はその極端な表現。アイドルではない人からみたアイドルの話。
  • アイドル以外が登場することにこそ意味がある。だから、777☆SISTERSは喋らない。
  • 第1作だからこそ、これをやらないといけなかった。

茂木総監督は何かを作るときに「テーマ」とそれに相応しい「構造」を必ず考えるそうです*2。そこで、「この歌は 涙を隠しながら 誰かの背中を押すために」という今回のMVのキャッチコピーをテーマだと仮定して考えると、このテーマを表現するには、この歌に背中を押される「誰か」が構造的に必要だったのだと考えることが出来ます。個人的にはとても納得できます。また、ナナシスがアイドルをどう描こうとしているか、ということに関して、茂木さんの口から話を聞けたのは貴重でした。

別のキャラクターを演じてみて

今回のMVでの涼原カホル役の水瀬さんも鳴海アカネ役の篠田さんも、それぞれ七咲ニコル、春日部ハルを既に演じていらっしゃいます。そんなふたりは今回別のキャラクターを演じることについてどう思ったのか、宮島さんから質問がありました。

水瀬さんは、私たちが演じていることにはきっと意味がある!と考えています、と強く話していました*3。最初に話を聞いたのは2年前の早朝のゲームの追加収録の時だったそうで*4、コニーさんがまた別人の振りをするのかと思ったけど本当に新キャラだった、と笑いを誘うような発言もありました。

篠田さんの場合は、事務所にある日資料が送られてきて、事務所の人からの「茂木さんが『よろしくです』とのことです」というメモ書きが添えられていたそう。それを聞いた茂木さん「結構雑だったんですね(笑)」。エイのエピソードで兼役したりしていたので今回もそんな感じかと思ったら、がっつり設定イラストとかもあって、いつもとは違うことを感じながらも「でも私、ハルだよな……?」と戸惑ったそうです。

この2人しかいなかった

それを受けて茂木さんはキャスティングの理由について、「ナナシスを表現するならこの2人しかいないと考えた」と迷わず答えていました。キャスティングに際して「オーディションやりますか?」と聞かれて「やる必要がありますか?」と聞き返したそうです。この迷いのなさから監督の作品に懸ける想いが伝わってきました。

水瀬さんのナナシスの本質への「近づき方」*5や、篠田さんのナナシスの本質への「ぶつかり方」*6には一目置いている、とのことでした。

インタビューをたくさん受けたそうなので、楽しみです。

作詞作曲について:個人の曲にしたくなかった

ここで作詞作曲についても宮島さんから質問が。

「今回は茂木さん自ら作詞作曲をされたとのことですが……」と何の気なしに宮島さんが語り出したのですが、そこでざわつく会場。

クレジットでは作詞作曲は「SATSUKI-UPDATE」氏になっていて、その正体はずっと伏せられていたので、あまりにもサラッと質問が出てきて、僕もびっくりしました。茂木さんが「あくまでこの曲に関しては、ですが」と付け加えていたので、今回のことで「SATSUKI-UPDATE」がすべて茂木伸太郎であると決めつけるのはまだ早いですが、なんにせよ驚きの一幕でした……。

話を質問の内容に戻すと、楽曲制作時のエピソードは?というものでした。

茂木さん曰く、「人の曲を使おうと思った」そうです。自分で5、6曲作ってみたけれど、自分のエゴが入ってしまって今回の作品にふさわしいものが出来なかったからなのだとか。それで、一旦自分の気持ちを抜きにして書いてみて出来たのがこの曲だったそうです。なんでも、「個人の曲にしたくなかった」のだとか。この辺の話はもう少し詳しく聞きたいので、インタビューで話してくれていることを願います。

レコーディングの話

篠田さんが一番最初にレコーディングしたそうで、この歌は「作品にとって大きなものになる」という実感からプレッシャーを感じていたのだとか。でも、自分の次のスイ役道井さんのレコーディングをみて、「ひとりじゃないんだなあ」と安心したそうです。

茂木さん曰く、今回のレコーディングではキャストのひとりひとりが違うものを読み取って歌っていたのが「面白かった」そうです。収録後に、どんな気持ちで歌ったのか、誰に向けて歌ったのか、という話をしたらみんなから違う答えが返ってきて、結果としてみんながそれぞれ違う気持ちで歌っている「曲の中に個人が入っていない」歌になって、そこがよかったと語っていました。

レコーディングのエピソードとして、スース役の大西さんが泣いてしまって収録が30分くらい止まった話が茂木さんから暴露されました。レコーディング中に大西さんが歌うのをやめてしまって、ぐすっと鼻をすする音が聞こえていたので最初は花粉症かと思ったそうです。でも、それにしては沈黙が長いしブースから出てこないので、扉を開けてそっと「どうしたんですか…?」と聞いたら、プロっぽく「すいません、ちょっと入っちゃって」とだけ返事があったという話でした。結構会場笑ってた。

ちょっと失礼な話ですが、12人のキャストの中ではナナシスとの距離をライトに保っているイメージを大西さんに抱いていたので、この話を聞いたときは結構驚きました。茂木さんの中でも大西さんの涙は印象に残っていたのだろうな、と勝手に思っています。

小説「Some say love, it is flowerーユキカゼー」

  • MVの脚本は2016の7月に出来上がっていた。
  • 10分の映像なのでストーリーを表現するつもりはなくて、「ナナシスとは何か」を"感じて"もらう*7作品にするつもりで脚本を書いていた。だから、最初は小説を書くつもりもなかった。
  • しかし、MVを収録した後に、キャラクターが「本当はこうだったんだよ」と主張してきた。
  • 今回の小説は、ふたりの物語を補完して上げようと思って書いた。

と言ったことが茂木さんの口から語られました。「キャラクターが主張してきた」という言葉が印象的でした。作り手にそうまでさせた、ふたりの物語とは一体何なのか、楽しみです。

新キャラクターデザインについて

  • カホルもアカネも一発OK。
  • 担当のMKSさんには「こういうキャラクターで、こういった表情をします」と伝えたくらいで、ストーリーの詳細は教えていなかった。
  • キャラクターは水瀬さんと篠田さんが演じる前提でイメージしていた。
  • 茂木「メガネを外した涼原カホルは最終形態」。「ラストの方からイメージした」らしい。

こういう使い方で合っているのかわからないですが、キャラクターがキャストを想定しての"あて書き"だったというのは貴重な話でした。確か、篠田さんが「ハルもアカネも(髪型が)ボブ。ボブボブ。私もボブ」という話をした時に、そうなった理由として茂木さんが語ってくれるという流れだったと思います。

収録が終わってから物語を知った感想

キャラクターの話をしていると、茂木さんがキャストのふたりに聞きたいことがあると切り出しました。収録が終わった後に小説が出来たわけだが、どう思ったか、という質問でした。

先に読んだ方が演技しやすかった、とかそういう話になるのかと思っていたんですが、ふたりからは「しんどい。」「重い…」「人間が描かれている」「生々しい」といった感想が出てきて、結果としてますます小説が楽しみになりました。

茂木さんも「小説を読んだ後だと(MVの)印象が変わると思います」と話していました。

衣装のコンセプトについて

出来上がった曲を聴いてもらって*8、半分以上はお任せで作ってもらったそうです。ただ、キーワードとして「卒業式」ということは伝えたそうです。

奇跡について

茂木さん曰く、ラストのカットのラストのセリフ「どうかこんな私でも、いつか誰かの光になれますように」は今回の作品のテーマでもある重要なものだったらしいのですが、実は同じことを水瀬さんが2ndライブ後のブログ*9で書いていたとのことでした。

しかも、脚本が出来上がった(=セリフを決めた)のが2016年7月で、水瀬さんのブログが8月、しかも水瀬さんは脚本は未読だったらしく、本当に全くの偶然で、奇跡としか言いようがない出来事だったのだとか。

ただ、茂木さんは「僕が先ですよ、と言いたい(笑)」とこれだけは必ず行って帰ろうと思っていたと胸中を明かしていました。というのも、世に出るタイミング的には水瀬さんのブログの方が先なので、「茂木、パクったんじゃないか」と思われるのは避けたかったそうです。

というわけで、本当に奇跡であってパクリじゃないそうです。僕は信じますよ!

夢が叶った

宮島さんが舞台裏で「夢が叶って嬉しいってお話しされてましたよね」と切り出すと、「言わないで下さいよ!」と慌てる茂木さん。中学生だった15歳の頃から、映像の監督をして舞台挨拶をするのが夢だったのだそうです。おめでとうございます。

最後に一言ずつ

トークショーも最後と言うことで、最後に一言ずつお話がありました。

茂木さん

  • MVは感じてもらうだけでいい。
  • いわゆる「次に見たいもの」は僕も同じ、ご期待ください。
  • 自分がこういうことをライブ前に言うのは初めてだが、「3rdライブはすごいことになっている」

期待の膨らむ発言でした。何よりも、作り手が自信をもって送り出せるだけの、構造と内容が揃っているということが茂木さんの笑みから伝わってきました。3rdライブが本当に楽しみです。

篠田さん

  • 「ハルカゼ~You were here~」を初めて聴いたときの自分の感動を届けたいと思って歌った。
  • この曲は人生に寄り添える曲だと思う。
  • 3rdライブに向けて、いっぱい走って、いっぱい走って、いっぱい走ってる。

「人生に寄り添える曲」という表現にとても共感したのを覚えています。なぜならば、僕はナナシスが人の人生に寄り添う作品だと思っているからです。

あと、3rdライブに向けて走っているということだったので、ライブでは会場を駆け回る777☆SISTERSが見られるかもしれないと期待を膨らませています。S席の範囲が広い、と巷でうわさされていますが、もしやステージを駆け巡るからどこもS席になってしまうのでは…。

水瀬さん

  • ナナシスと出会ってから4年経った。当時は17歳だった。
  • 自分も大きくなったし、ナナシスも急ぎ足でなく、一つ一つ階段を登っている。

メモを取り損ねたので、これがすべてではないのですが、今回のトークショーを通じて水瀬さんの発言の節々からナナシスへの理解、愛が伝わってきました。そんな人が重要な役を演じてくれていることは、作品のファンとしてとても誇らしいなと思いました。

トークショー終了、2回目のMV上映

そしてトークショーが終了、水瀬さんが立ち止まりながらたくさんの人に手を振って、ひとりだけ遅く退場したのが印象的でした。

そして、2回目の上映。2回も見られるとは思っていなかったので、たなぼたでした。1回目の上映の時もそうでしたが、上映後に拍手が起きていたのが温かかったです。僕も拍手しました。

 

どこよりも早くナナシスのアニメーション作品の第1作を観ることが出来て、貴重な話も聞けて、素晴らしいイベントでした。参加できて本当によかった。そして、『t7s 3rd Anniversary Live 17'→XX' -CHAIN THE BLOSSOM- in Makuhari Messe』がますます楽しみになりました。今回の作品で、ナナシスの「未来」が少し描かれることになったわけですが、ライブでは一体どうなるのか、気になって仕方がありません。

*1:

小難しいことを考えずに“感じて”欲しい―水瀬いのり、篠田みなみ、茂木伸太郎総監督が登場、ナナシス「ハルカゼ」上映会&トークショー|Nizista (ニジ★スタ) - オタクカルチャー専門WEBマガジン

『ナナシス』アニメMV『ハルカゼ』では成長した777☆SISTERSがお目見え! トークショーで語られる水瀬いのりが起こした奇跡とは? [ファミ通App]

*2:コンプティーク2016年11月号インタビューより

*3:わかる。ナナシスのことだから絶対何かある、と僕も思いました。

*4:茂木「よく覚えてるね、確か雨の日だったんですよね、マネージャーさんがいなくて1人で、お化粧もしてなくて、」水瀬「茂木さんもじゃないですか(笑)」という会話もありました。

*5:総監督が本当に驚くくらいナナシスのことを理解しているそう

*6:雑誌『CUT』のインタビューをそれぞれ受けたそうで、その原稿チェックをしている時にも感じたそう

*7:映像とは本来そう言うものだと思う、と言った発言もありました

*8:「ハルカゼ」というタイトルは既についていたはず、らしい

*9:

こんな私だっていつか誰かの光になりたい。
そう思わせてくれるステージでした。

*運命だよ、ここにいることは*|水瀬いのりオフィシャルブログ「今日も明日も幸せ☆いのりっ☆」Powered by Ameba