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What is truly i-DOL??

例の記事の後編を公開しないまま4ヶ月半が過ぎようとしています。そんな事情を世界が待ってくれるはずもなく、コンプティークで連載されていたepisode.Le☆S☆Caは最終回を迎え、ナナシスのアプリ内でも数々のシナリオや新曲が公開されました。そして、先日2016/6/29にはTokyo 7th シスターズの2ndアルバムとなる『Are You Ready 7th-TYPES??』が発売されました。

ふたつのTV SPOT

アルバムの発売に際して、スペシャルTVスポットが6/26と7/3にTOKYO MXのTVCMとして放送されたのですが、2ndアルバムが赤盤と青盤に分かれているように、2タイプが用意されていました。

先週6/26に公開されたのがこちら。

youtu.beそして、7/3に公開されたのがこちら。

youtu.be

動画が2つあってわざわざ「TYPE A」と「TYPE B」と銘打ってある以上は、両方合わせたときに見えてくるものがあるのかな~、なんて思いながら見比べてみました。今回は、その感想をつらつらと書きます。

両者の対比で浮き彫りになる問い

明らかに映像の構成が対比になっていて、ふたつの「TYPE」の何が違うのか、ということが分かるようになっています。まず、同じ「アイドル」というルビを振りながらも、前者の2030年では「”偶像”を破壊した少女たちがいた」、後者の2034年では「”自分”を探した少女たちがいた」となっています。

そして、セブンスシスターズがメインになっているTYPE Aでは、こんなフレーズが出て来ます。

”This is the Answer”(これが答えだ)

「答えだ」ということは、問いがあるはずですが、この場合の問いとは何でしょうか。僕は、「アイドルとはなにか」という問いなのではないかと考えています。

では、TYPE Bではどうでしょう。

”This is the ING”(これは現在進行形なのだ)

「現在進行形」という言葉は1周年ムービーにも登場しましたし、何よりナナシスのキーワード「i-DOL n-EW g-ENERATION」の頭文字をとると「ing」になりますし、明らかにキーフレーズですよね。先日公開された茂木総監督へのインタビュー*1でも2034年のナナスタの音楽を表す言葉として「現在進行形」が出てきました。では、何が「現在進行形」なのでしょうか。実は、これも「アイドルとはなにか」という問いなのではないかと僕は考えました。

「アイドルとはなにか」

さて、「アイドルとはなにか」という問いは、ナナシスにとって「大きなテーマである」と茂木総監督が発言している*2くらい重要な意味を持つものなのですが、2030年と2034年では前提が少し異なります。

「アイドル=偶像」の世界

2030年の時点では国を挙げてエンタメが推進されており、職業としての「アイドル」(偶像)のイメージが世の中に蔓延していたでしょう。その上でセブンスの6人は「アイドルとはなにか」という問いに向き合うことになったと思います。そしてその結果、彼女たちはどうやら一つの「答え」を出したらしい。少なくとも今回の映像を見る限りはそう推測できます。

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では、その「答え」とは何でしょうか。おそらく、この次のカットでニコルが発する言葉「偶像(アイドル)という常識を突破しろ」でしょう。

偶像を破壊する

そして、ここからは僕の推測に過ぎませんが、偶像という常識を突破した先に彼女たちが見出した結論こそが、「アイドルはアイドルじゃなくていい」*3というアイドルの否定だったのではないでしょうか。つまり、彼女たちは本当の「アイドル」を求め、偶像(”アイドル”)を破壊(否定)したわけです。

アイドルが定義されていない

では、2034年の777☆SISTERSはどうでしょうか。2034年の世界では、アイドル像を破壊したセブンスシスターズの解散によってアイドルに対する固定観念(アイドルってこういうものじゃん)がなくなっていると言われています。*4つまり、ちょっと数学っぽい言い方をすると、「アイドルが定義されていない」状態なわけです。

「ねぇ キミは何がしたい?」

そうした状況で「アイドルとはなにか」という問いに向き合うことは、「自分とはなにか」という問いと同じだと、茂木総監督が発言していました*5し、ムスビのエピソード2.5で支配人自らがそういった発言をしていました。

「自分とはなにか」

この問いに向き合って答えを出すことはきっと容易ではないです。たぶん、一時的に答えを出せたとしても、それで完結はしないと思います。だからこそ、この問いは「現在進行形」なわけで、そういう意味での”This is the ING”なのかな、と僕は考えています。

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このカットの次にハルが発する言葉は「ねぇ キミは何がしたい?」でした。「自分とはなにか」という問いに他なりません。やはり、この問いが現在進行形なのだと思います。

両者に通ずるもの?

そんでもって、この「キミは何がしたい?」という言葉。エピソードの中で、コニーさんからハルへ、ハルからウメへと届けられていく言葉です。すなわち、これは七咲ニコルが発した言葉だと考えることが出来ます(おっと論理の飛躍だ。おっかしいな~、六咲と七咲は別人のはずなんだけどな~)。

つまり、セブンスシスターズも「キミは何がしたい?」という問いと向き合っていたと考えられるのではないでしょうか。本当の自分と向き合おうとしていたからこそ、結果として(本当の自分ではない)偶像を破壊したのだと思います。

ここまで考えて改めて思ったのが、ナナシスは「自分とどう向き合うか」を描こうとしているんだな、ということです*6。そして、ふと気づきましたが「i-DOL」という表現には「i」(私)が含まれているのかもしれないですね。

ひとりぼっち僕らの みんなの物語

最後に風呂敷を広げるようでなんですが、アイドルは一人で成り立つものではなく、仲間やファンがいます。自分だけでなく他人と向き合う側面もアイドルには*7確かにあって、それを示すのがナナシスのもう一つの大きなキーワード「絆」なのだろうな、と私は考えています。

「キミは何がしたい?」という問いに向き合って自分らしく生きるのはきっと素晴らしいことだと思います。でも、もしかしたら衝突や決裂が起きて傷つくかもしれません。自分のやりたいことが隣の人のやりたいことと一致するとは限らないからです。

そんな時、どうやって他人と共に生きるか(あるいは別々に生きるか)みたいな困難に対して、「現在進行形」のナナシスはどういう答えを出すんでしょうか。今のところは

「何度だって僕らは 傷ついてまた強くなる」(僕らは青空になる)というのが一応の答えなのでしょうか。

「アイドルとはなにか」「自分とはなにか」そして「絆とはなにか」という問いがどこに辿り着くのか非常に楽しみです。

 

P.S. 七咲ニコルは「アイドルはアイドルじゃなくていい」とは言いつつも、やっぱり「アイドルが好き」で「友達が好き」なんだろうな。むむ、アイドルも友達も好きな女の子がどこかにもう一人いたような…。

*1:

Tokyo 7th シスターズ「Are You Ready 7th-TYPES??」特集 (1/3) - 音楽ナタリー Power Push

*2:コンプティーク2016年3月号

*3:ナナシスのファンの間ではお馴染みのこのフレーズ。ロナのエピソード2.5を受けて、一体誰の言葉なのか、ということが一部で話題になっていました。

*4:『リスアニ! Vol.22.2』や『コンプティーク2016年3月号』でのインタビューで総監督自らそういった発言をしていました。

*5:これも『リスアニ! Vol.22.2』や『コンプティーク2016年3月号』のインタビュー

*6:例によってこれもコンプティーク2016年3月号のインタビューで総監督が発言している

*7:きっと人間全般に言えることですが